妊娠力をアップさせる5つの低温期の過ごし方

低温期は生理が始まってから排卵するまでの期間で、卵胞が成長するとても重要な時期です。

この低温期に、卵胞がしっかり育つように過ごすことで、妊娠できる可能性が高くなります。

まずは低温期にはどのような事が起こっているかをお話しします。

 

低温期には、脳の下垂体前葉からFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)が放出され、卵巣内にある未熟な卵胞を成長させます。

 

FSHの刺激を受けた卵胞からはE2(エストロゲン)が分泌され、子宮に作用し子宮内膜を増殖させ、受精卵のベッドを作ります。さらに子宮頸管粘液(オリモノ)を増やし精子を迎え入れる環境を整えます。

 

発育した卵胞の中で一つだけがさらに大きくなり主席卵胞になると、E2分泌量がピークに達し、LH分泌量が急激増加します(LH サージ)。この刺激により卵胞から卵子が放出され排卵が起こります。

 

排卵した卵胞はさらにLHの作用により黄体に変化し、この黄体からP4(プロゲステロン)が分泌されます。

P4は体温を上げる作用があり体温を上げると同時に、子宮内膜をさらに厚くして着床の準備を整えます。(ここから高温期)

 

簡単にまとめると

①脳の下垂体前葉からFSH、LHが分泌される。

②卵胞を成長させ、E2を分泌する

③E2の作用により子宮内膜を作る・子宮頸管粘液を分泌する。

④卵胞が十分に育ちE2がピークに達すると、LH分泌が急激に増加し排卵を促す

⑤排卵した卵胞は黄体に変化しP4を分泌し、高温期に移行する。

という流れになります。

低温期にE2が産生される時には、アロマターゼという酵素が働きます。

このアロマターゼは体温が36.2℃前後で最も働きやすいと言われていて、低温期の体温は、36.2℃〜36.5℃以内であることが目安となります。

 

そのためには、低温期には体温をしっかりと下げる体作りが必要です。

では、体温をしっかり下げられる体になるためにはどうすれば良いのでしょうか?

 

それは睡眠の質を良くする事です。

 

ヒトの体温は1日のうちで、活動する日中は高く、睡眠をとる夜には低くなるとリズムで変動しているので、睡眠の質を良くすることで、しっかりと体温を下げられる体になります。

 

それでは睡眠の質を良くする方法を紹介します。

① 手足の血流を改善する

手足の血流が悪く冷えたまだと、熱を放散させる力が弱くなってしまいます。冷えを解消するためにストレッチやお灸で血管を拡げて熱を放出する力を強くしましょう。

足が冷たくて眠らないからと靴下を履いて寝る人もいるかと思いますが、それはかえって足を冷やすことになるので、足が冷たくて眠れないという人は湯たんぽをオススメします。

 

② 適度な運動を心掛ける

適度な運動による心地よい疲労感は睡眠の質を高めてくれます。

30分から1時間程度のウォーキングやジョギング、ヨガなどの有酸素運動がオススメです。

これらの有酸素運動は「積極的休養」となり、睡眠の質を高めてくれます。しかし、体を動かすと、交換神経が優位になり脳が興奮状態になるので、運動は最低でも寝る3〜4時間前に終わらせるようにしましょう。

 

③食事は寝る3時間前までに

寝る直前に食事をすると、寝ている時間に消化吸収をすることになり、寝ていても内蔵が働いている状態になってしまいます。

食事は寝る3時間前には済ませておくようにしましょう。

どうしても3時間前に食事を済ませるのが難しい時は、消化がよく軽めのものを選ぶようにしましょう。

 

④お風呂は布団に入る2時間前に

お風呂は体温リズムをサポートする効果があります。お風呂に浸かることで深部体温は上がり、お風呂から出ると深部体温は徐々に下がりスムーズに眠りにつく準備を整えていきます。

なので、シャワーだけではなく、湯船につかりしっかりと温まりましょう。

お風呂で上がった深部体温は徐々にさがるので、入浴は布団に入る2時間前がオススメです。

 

⑤寝る直前までスマホやパソコン、テレビは見ない

布団に入ってから眠たくなるまでスマホやテレビを見ている人が多いようです が、スマホやパソコン、テレビの画面から出る「ブルーライト」は、交換神経刺 激して脳を興奮状態にしてしまいます。

また、ついつい内容に夢中になってしまい、夜更かしになってしまうことも。

スマホなど布団にはいる1時間前には電源を切るようにしましょう。

 

 

妊活中には、ついつい高温期の状態が気になる方が多いようですが、良い高温期を迎えるために、実は低温期の過ごし方が大切です。

この記事が、読んでいただいた方に少しでもお役にたてれば幸いです。

最後まで読んでいいただきありがとうございました。